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(第3話)採用試験(その2)!

ダナンに住む日本語を学ぶ若いベトナム人にとって、日本へ留学する、或いは

 

日系企業に就職して日本へ研修にいくということは夢のまた夢なのです。
 
初任給15,000円程度の彼らの収入で、日本へ行って何ヶ月か滞在しようとすれ
ば、渡航費用、滞在費用で軽く年収の二年分近くが吹っ飛んでしまいます。
それに、身元保証人も必要です。
 
「あなたの夢は・・?」という課題の小論文には、
 
「日本へ行くこと! 日本へ行って・・。」などと回答する受験生が圧倒的に
多かったのでした。
 
そんな彼らにとって、私からの電話は、「LOTO6で2億円当たったの・・!」
に近い喜びではなかったかと想像します。
 
翌朝・・・、ホテルから、前日エイヤッと決めた5人の携帯に
 
「Hello!!○○さん!?」
 
「おめでとうございます!合格です!!!」
 
「○時に会社へもう一度来ていただけますか?」
 
と、一人一人に合格通知の電話を入れました。
 
先ず電話を入れたのは、いつもニコニコで、
「僕、素直だし、とっても性格がイインデス。」を絵に描いたような男性。
 
彼の日本語小論文はピカソの絵のような、わかる人にしかわからないシロモノ
でしたが、好感度ナンバーワンでしたので迷わず採用したのでした。
 
次に、コンピューターに詳しいもう一人の「僕、日本語も出来るコンピュータ
オタクナンデス。」みたいな男性。
彼は、実は、まだ在学中だということで「時々大学へ行かせて欲しい」などと
都合の良いことをほざいていたので・・、
 
「喝!!!だいたい!就職するということはだな!!!」と、
一喝し、縷々教育的指導をしたのでした。
 
しかしながら、単位はすでに取得済みで、論文だけだということなので、
「じゃあ、特別に!」ということで大甘の採用。
 
次に、ダナン大学日本語学科新卒の三人娘を次々と時間差で呼び寄せ
「おめでとう!おめでとう!おめでとう!LOTO6おめでとう!」と、一人づつ
握手のオンパレード!
 
 
合格者には、それぞれと雇用契約書を取り交わした後、
「今夜、日本料理屋でお祝いのパーティーをするからオイデ。」
と告げて別れました・・。
 
一通りの仕事も予定通り終了し日も暮れかかった頃。
 
ダイク村の村長さんに・・・、
 
「一本いいですか?」と強めのマールボロをいただき、
パチッと火をつけながら・・、
 
「いや縲怐A若い、希望に燃えたベトナム人に喜びを与えられるのってイイで
 すよね縲怐B
 なんか、少しでも、ダナンの若者達に貢献できている気がしますよね縲怐B
 何より、ああやって素直に喜んでくれるのが嬉しい・・・。」
 
「同感です!!
 ああやって、彼らのキラキラと輝く目を見ていると
 こちらまで嬉しくなってくる・・・。
 イイですねえ。」
 
「イイですねえ縲怐B」
 
などと感慨に浸っていると・・・、
 
突然!!
 
携帯が鳴りだしました!
 
先ほど、「じゃ6時に日本料理屋で!」と別れた三人娘の一人が、
「初任給が、安い・・。」と言ってきたのです。
 
すると又、三人娘の別の娘からも、
「研修後には給料は上がるのですか?年に何回上がるのですか?」
 
更には、もう一人からも、
「夜勤があるなら、その分の手当は・・。」
 
日本語学科新卒の三人娘は結託して条件闘争に持ち込もうとしているようなの
でした。
 
「なんじゃい!?こいつらは・・・!メラメラ!メラメラ!!」
 
いいかげん!佛のMr.ホーも瞋恚の炎を燃え上がらせつつ
桜塚やっくんバリに竹刀を床にたたきつけた気分で!
 
「ええい!条件は、最初に提示しただろうが!!
 納得してサインしたんじゃねえのかよ!
 オマエら!カタコトの日本語しか出来ねえくせに!
 他には、な縲怩熄o来ねえくせに!
 会社は、年収の二年分をドカンと投資して一人前のビジネスパーソンに
 仕上げようとしているのに!
 ハナから条件闘争かよ!
 
 もう・・・!要らん!
 LOTO6の2億円は無しじゃ!無しじゃ!
 御和讃じゃ!」
 
ダイク村の村長さんは、怒り狂う私をたしなめつつ
「もう、仕様がないですねえ・・。
 ああいうタイプの奴らは駄目ですよ。
 一度は収まっても、また同じことを言い出します。
 さっさと次の候補にあたりましょう。
 性格のいい子が一番です。
 
 まだまだ、時間はありますから・・。」
 
昨夜、何度も何度も何度も何度も見直した履歴書の束を取り出しつつ、ダナン
大学英文学科卒で、英語は出来るが日本語はかなり怪しくて笑顔がカワイイ娘
と、ダナン大学経済学部卒で日本語はそこそこの素直そうな娘に決定し、急遽
「今夜、日本料理の店にオイデ!」という連絡を、村長さんの秘書にたのんで
とってもらいました。
 
二人とも日本語力は全くまだまだなのですが、日常業務で顧客対応をするわけ
ではありませんので、
「まあ、良かろう。性格が素直で良いのが何よりじゃ!」
という単純な判断に基づいての採用でした。
 
コンピュータオタクの男性は、「今夜は、ちょっと都合が・・・。」というこ
とでしたので、結局その晩は「性格イインデス」の彼と、「日本語怪しいの」
の彼女、そして、「日本語そこそこヨ」の彼女を迎え、ささやかに合格記念パ
ーティーをしたのでした。
 
パーティで「ビール!ビール!」と盛り上がっている間、
私は、ひとつ気になっていることがありました。
 
動物的な、勘!なのでしょうか・・?
少し、引っかかるものがありました。
 
と、いろいろありましたが、結局、今回の採用試験の結果、男性2名、女性2
名のリーダー候補生を採用することにし、本社研修のため日本に連れていくこ
とになりました。
 
しかし、ビジネスビザの取得や彼らが研修で日本に行っている間に、現地での
投資ライセンスの許可をもらうための手続きなどを同時進行で進めなければな
りません。
 
ベトナムでの法人設立までには、まだまだこれからが大変なのです!
 
帰国後、ワサワサと投資ライセンスの必要書類を作成しているところへ一通の
メールが届きました・・。
 
Mr.ホーのキナ臭い勘はやはり!当たったのでした!
 
コンピュータオタクの彼からです。
 
その主旨としては、
1.管理業務はたいへんであるから給料を倍にしろ!
2.研修後の昇給金額を示せ!
3.二年間での昇給の回数は何回か?回答せよ!
4.私の要求を満たすのであれば、私は喜んでやる気を出して頑張る所存である!
 
いいかげん!乾ききった笑いがこみ上げてきました。
 
私が提示していた条件は、ダナンの日系企業の平均的な給与水準の金額です。
 
ベトナムスズキの筧社長の言葉が耳から離れません。
 
「ベトナム人はしたたかですよ・・。」
 
佛のMr.ホーは、キッと鬼に変わり!
矢のように採用取り消しのメールをオタクくんに送りつけてやりました!!
 
(Mr.ホー)

 

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