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(第22話)駐在員の嘆き・・・!

ウチの会社は韓国系のような会社になってしまっています!
と、某社(敢えて・・)駐在員のIさんは、嘆きます。 

 

 

私は出張最後の夜、某社現地駐在員のIさんを誘って、日本料理レストラン
「たかし」へ行きました。
 
ダナンの日本料理レストランは、一年前には3件しかありませんでしたが
一時は7件まで増えていました。
 
しかし、最近、「胡蝶」と「太郎」の2店が閉店したということで現在は
「たかし」を含めて5件となっています。
 
この夜は、某社のIさんと更に某社のTさんと私の3人で・・、
ダイク村村長のために!と日本から持ってきて「たかし」にキープしていた
芋焼酎「霧島」を片手に、「大お嘆き大会」を始めました。
 
たかし」は、お酒持ち込みOK!で、しかも、持ち込んだ酒でもいつまでも
キープして置いてくれるというちょっとありえないシステムになっています。
 
香港では、折角ボトルキープをしておいても2ヶ月経過すると、店が勝手に
流してしまうため、香港へはせいぜい年に2縲怩R回しか行けない私にとって、
どんなに高価でどんなに大切なボトルであっても、次の出張時には、間違い
なく抹殺!二度と面会することはできないという悲しい運命にあるのです。
 
Iさんは、ダナンに来てまだ2年ちょっとですが、流暢にベトナム語をぺらぺ
らと操りながらベトナム人店員を上手にからかうのが得意な青年です。
 
Tさんは、ダナンに来て3年ということですがベトナム在住は長く、ハノイに
ベトナム人の奥さんと子供を残して単身赴任をしておられます。
 
この日のIさんは、珍しく、ひたすら嘆きます・・。
 
「今、ウチのダナン工場では製造原価が150円かかってるんです。」
「でも、本社では90円で作れ!と言うんです。」
 
「それは、ご無体な縲怐Iそりゃ、ムリです縲怐I!などとどれほど訴えても、
 
 本社からは、『能率上げろ!』の一点張りだし・・。
 
 出張で来る社員は皆技術屋さんばかりだから生産管理はわからないし・・。
 
 40,000ロットのキャパなのに平気で60,000ロットを詰め込んでくるし・・。
 
 どうすりゃいいんでしょう・・。」
 
更に、この日のIさんは、ひたすら嘆きます・・。
 
「ウチのダナン工場は完璧にアカです。 構造的なアカです!
 
 改善の兆しも光も何も見いだせない状況なんです。
 
 本社は、仕入れが安い!ということでいいんでしょうけれど、
 本社会議へ出席すると、完全に私は針のむしろですよ!
 
 『お前は、何をやってんだ!いつまでアカを出し続けるんだ!』
 
 『もっと効率上げて、とにかく90円で採算が乗るようにしろ!!』
 
 『工場の家賃を下げてもらえ!! それは、お前の役目じゃ!!』
 
 などとサンドバック状態です・・・。」
 
「ウチの本社の社長は、全くここへは来ないんです。
 
 現場がわからないから、言うことはもう、むちゃくちゃですよ!」
 
「本社では役員クラスのある上司は、事情がわかっているんで、
 
 ここのことは理解してくれてるんですが、
 
 だって、本社では、社長が天皇陛下ですもん!
 
 社長が、右!といえば誰も逆らえませんもん!」
 
「もっと、ロットをこなせればある程度の生産コストは下がるんでしょうけれ
 
 ど、人を増やそうとすると、ダナンでは物価高で、今のウチの賃金では人が
 
 集まらなくなってるんですよ。
 
 かといって、これ以上賃金を上げるのは難しいですし・・。」
 
「ウチの現場のリーダーたちは、結構色々な提案をしてくれるんです。
 でも、本社では現場の提案に対して聞く耳は持ちません。
 
 本社からは、とにかく『言われたとおりにやれ!』です!
 
 その意味で、ウチは韓国系か!と思ってしまうんです。」
 
いつもは明るいIさんですが、今日は、大お嘆き大会です。
 
 
すでに、「霧島」の威力によってほどよく酔っ払っていた私は、
 
「ふん、ふん、ふん、ほ縲怐I」などと受け答えをしながらも
 
残念ながらIさんに対して有効なお悩み解決法を提供することができず・・、
 
ムーディ勝山の如く、右から左へと縲怐スだただ聞き流す縲怐ヤでした。
 
しかしながら生真面目な柔道家のTさんは、
私が「霧島」を一杯空けるうちに二杯は空けるハイペースでグラスを傾けなが
らも、Iさんのお悩みに対して、
 
「二十いくつあるという製造工程の中でボトルネックになってるところが
 
 必ずあるでしょう。
 
 そのボトルネックの部分へ人材を配置しなおせば効率が改善するんじゃない
 
 ですか?」
 
などと、まじめにIさんのお悩み解決策を提案しようとしておられました。
 
「Mr.ホーさん!知ってました!?
 
 マクドナルドの玩具をつくっている台湾系のあの会社!
 
 『給料150万VND!』といってでかでかと看板出していましたよね!」
 
「あれ、何か裏がありそうじゃないですか。 絶対!何かありますよねえ。」
 
 「そういえば・・、
  ウチのアカウンターの妹が先月からウチに来て居るんですよ。
  その子は、例のマクドナルドの台湾系の玩具の会社に居たっていうんで
  すよね。
  ホントに待遇がよけりゃウチになんか来ないでしょうから、
  裏では、色々問題があるんじゃないですか・・。
 
  今度その子に『玩具屋はどうだった?』って聞いてみましょうか・・。」
 
「でも、『給料150万VND!』は、強烈ですよ縲怐B
 うちなんかやっとこさ100万VNDですもんね縲怐B」
 
この夜、延々と大お嘆き大会は続きました。
 
東南アジアの現地駐在員という立場。
 
外からの視線では、
「本社の給料水準のまま現地の物価で生活できていいよな縲怐B」
などという羨望のまなざしを受けたりしがちですが・・、
 
実は、現場でしか理解することができない、本社に訴えても理解されにくい
様々なイライラの大群の中であってもしっかり結果を求められるツライ立場
です。
 
私が、ダナンで知り合った現地駐在の方は、皆、個性的な人ばかりです。
 
やたら攻撃的な人・・。
 
開き直った対応の人・・。
 
唯我独尊の人・・。
 
すべてを達観した人・・。
 
そして、体をこわして帰国してしまう人・・。
 
個性的、かつ、精神的にも肉体的にも相当タフでないとやってられないということなのでしょう。
  
(Mr.ホー)
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