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(第43話) チャイナプラスワンの終着点

人民元高、物価高、人件費高がじわりじわりと進む中、世界の工場といわれた
中国の優位性にかげりが見え始めた4~5年前より、各業界ごとにチャイナ
プラスワンの最適地を探す動きが本格化し始めました。

アジアにおいては、インドをはじめ、タイ、マレーシア、インドネシア、フィ
リピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどの東南アジア各国が
その候補地として注目されてまいりました。

JETROの2007年度の統計によりますと、各国の人口は、
インド- 11億5,175万人、 タイ- 6,344万人、 マレーシア- 2,611万人、
インドネシア- 2億2,886万人、フィリピン- 8,626万人、ベトナム- 8,621万人
カンボジアー- 1,420万人、 ラオス- 576万人、ミャンマー- 4,838万人
となっており、

一人あたりの名目GDPは、
インド- 954USD、 タイ- 3,872USD、 マレーシア- 7,142USD、
インドネシア- 1,892USD、フィリピン- 1,671USD、ベトナム- 812USD
カンボジアー- 606USD、 ラオス- 694USD、ミャンマー- 279USD
となっています。

チャイナプラスワン最適地としての選択肢に残るためには、まず安価で優秀な
労働力を供給できることが重要なファクターとなります。

その意味では、一人あたりGDPが既に1,000USDを越えているタイ、マレーシア
インドネシア、フィリピンなどは、新規の進出予定地としては魅力が薄くなっ
てきており、新規の検討テーブルには乗りにくいと思われます。

となると、インドおよび東南アジアでは、インド、ベトナム、カンボジア、
ラオス、ミャンマーが残ることになります。

もっとも、一人あたりGDPというのはあくまで国別平均の統計数値であり、
一見、高賃金に見える国であっても、地域によっては所得格差が想像以上に
大きい場合もあるので一概に、「○○国は、既に高賃金だから・・・。」など
とは評価できない場合もあります。

或いは、いくら賃金が安いからといっても港までの物流コストがやたらかかる
とか、盗賊に襲われて荷物が無くなってしまうリスクがあるとか、意味不明の
裏金を要求されて思わぬコストがかかってしまうなどというカントリーリスク
も存在します。

また、チャイナプラスワンの議論は、完成品をどこへ納品するのかによって
その最適解は異なるものになってまいります。

中国で販売するのであればやはり、中国でものを作る、或いは中国に近いとこ
ろで作るほうが良いということになるでしょうし、中国にも売るが東南アジアル
ートも主要販売先となるということであれば、ベトナムそれもハノイではなく
ホーチミンでということになるのでしょう。

先般、カンボジアからの客人との会話の中で、「チャイナプラスワンの終着点
は?」というテーマの話をしていた際・・、

軍事政権下のミャンマーでは何もかもが未整備であり、外資はなかなか受け
入れてもらえないし・・、

ラオスは人口もまともな人材も少ないしまだ様々なことが未整備であるため、
物好きの進出はあるかもしれないが現実にはまだまだ難しい。

インド人は確かに優秀であるが、「あのインド人さえいなくなれば・・・、
インドはとても素晴らしい国だ!」といわれる程、理屈っぽくてコントロール
しにくいインド人を相手にして渡り合っていく根性と、各州ごとに異なる複雑
な法律をクリアしてビジネスをしていく粘り強さが必要であることからインド
ビジネスを成功させるのは至難の業であり・・、

また、カンボジアでは確かにワーカーの人件費は安いのだが、カンボジアの
公務員には給料というものが無く、裏金が政府役人の主な収入源となっている
ため思わぬコストが発生するリスクが存在する。
しかし、カンボジアには関税の優遇措置があるため、メイドインカンボジアの
タグだけつけているというビジネスもあるとかで・・、

「う~む」と唸ってしまいます。

結局、その業種業態によって答えは異なってくるものの・・、

外資さ~ん!いらっしゃい!いらっしゃい!といって外資を呼び込んでおいて
からこれでもか!これでもか!とふんだくるベトナムがいいか・・、

外資が来る前からふんだくって来た後もふんだくるカンボジアがいいか・・、

どっちのふんだくられ方がいい?というような話で・・、

結局のところ・・、カンボジアの客人廻りの人たちの間での結論としては、
「いまのところ・・チャイナプラスワンの終着点は、ベトナムまでか!?」
ということになっているそうです。

一方、岐阜の小島衣料さんは、中国各地で操業しつつ韓国、オーストラリア、
タイ、インド、ミャンマー、ヨルダン、サイパン、ベトナム、マダガスカル
などで、操業したり、撤退したり、指導したり、調査したりを繰り返した後、
結局、中国吉林省の琿春市というロシアのウラジオストクや北朝鮮にほど近い
ところに最新工場を作ることにされました。

チャイナプラスワンの終着点は、ぐるっと回って結局チャイナだった!
という話です。

進出先の周辺で部材が調達できるとかできないとかという問題もありますし
近くに販売先があるとかないとかという問題もあります。
したがって、それぞれの会社にとって進出先を決定するために何を重視するか
によって最適解は異なるものになるということになります。

私なぞは迷ったら最後は、進出先が好きか嫌いか、肌に合うか合わないか!
みたいなことでエイヤッ!で決めてしまうような気がいたします。

ということで・・、

弊社にとっての終着点は果たしてどこになることですやら・・。

(Mr.ホー)

 

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