メルマガ・バックナンバー

越南的徒然草・・・（ベトナムのイライラ　その２）

■VIDB（ベトナム投資開発銀行）にて

先日、振り込み手続きをするためベトナム大六のアカウンター（会計担当者）
と一緒にVIDB（ベトナム投資開発銀行）へ行って来ました。

ベトナムの会社には、アカウンターと呼ばれる資格を持った会計責任者を置く
ことが義務づけられています。

資金の移動も、振り込みも社長のサインと社判、そしてアカウンターのサイン
がなければできません。

ベトナム投資開発銀行に開いたVietnam Dairokuの口座は、US$建てのキャピタ
ル口座（資本金口座）とセービング口座（普通預金口座）があり、セービング
はUS$建て、日本円建て、VND（ベトナムドン）建ての三口座を開いています。

今回は、US$での支払いをしたかったため、一旦、キャピタル口座から資金を
US$口座に移動してから振り込み手続きをする必要がありました。

VIDBへ入ると銀行独特の空気が漂っています。

しかし、香港の銀行のような洗練された雰囲気ではなく、小津安二郎の映画に
でも出てきそうな、いわゆる昔の銀行！といった空気感でしょうか。
およそ、顧客満足度などという概念は全く気にかけていない様子で、要は！
「お金を出す、入れる、借りるができればいいんでしょ！」的な、原始金融
機関的機能のみを持ち合わせている事業所！といった感じの銀行です。

窓口の女性は、ちょっと日本人っぽい顔立ちで、アオザイがよく似合うきれい
で若い女性が担当でしたが、その対応は、ごくごくあっさりとしたもので、
「笑顔に始まり笑顔で終わる丁寧な対応」などでは全くないばかりか、
「お客さん！こんなこともわからんの！」的なスゴみを隠し持った機嫌の悪そ
うな対応で我々を迎えてくれました。

Vietnam Dairokuのアカウンターのチャーさんは、一応アカウンターの資格を
持ってはいるものの実務経験はほとんど無しだったため何度も所定の伝票の
記入ミスをしてしまったようでした。

「記入ミスくらい、横線シャッシャの訂正印で駄目なの！？」と尋ねると、

「書き直さなければダメらしいんですう～・・。」とのことで・・、

私はその都度、何度も練習しておいたMr.ホーのサインをカッコつけてサラサ
ラッとして社判をバシッと押すのでした。

「それにしても、時間がかかるんだね～。」と思いつつ

待合い用のソファに移動した私は、テーブルの上に「どうぞご自由にお食べ下
さい」的に置いてあったベトナムキャラメルを頬ばりながら、騒々しい店内を
ず～っと見渡していました。

VIDBダナン支店には、どのような機能と役割をもっているのかはよくわかりま
せんが、やたら窓口が多く、お客さん用のイスを数えると丁度４０脚！

「昼休みの間は、仕事はしません！」ということで午後１：３０まで銀行業務
は停止となるため午後一に押し寄せたお客さんでごったがえしています。

その中で、ベトナムらしいなと思ったのは・・、

「これ！あんた！今のうちにさっさと私の用件を先に済ませて頂戴！！」
とばかりに、ずうずうしくも窓口で伝票に記入しているお客さんの頭越しに
自分の用件を行員に押しつけるオバチャンがあちこちにいること。

また、そのずうずうしいおばちゃんの用件に対し、
「このお客さんの用件が済むまでキャラメル食べながらお待ちくださいね。」
とも言わず、アオザイ姿の行員はさっさと対応してしまっていること。

Vietnam Dairokuのアカウンターのチャーさんが、
「もう一度、サインと社判をお願いします・・。」
といって私のところへ来ている間に、す～っと別のオバチャンがチャーさんの
座っていた席を横取りしてしまっていること。

早い者勝ち・・！？

やったもの勝ち・・！？

ここには、順番って概念は、無いの・・・！？

ちょうど、中国で列車に乗ろうとするときなど、
「われ先に！」とばかり血走った人の渦が雪崩のように押し寄せて来て、道を
譲ったり「お先にどうぞ！」などという奥ゆかしい理性を優先していると、
いつまでも前に進めなかったり、エレベーターに乗る際に、「われ先に！」と
血走った状態で突撃しないといつまでもエレベーターを待ち続けることになっ
てしまったりするのと同じだな！という感じです。

「それにしても、時間がかかるんだね～。」・・・。

結局、書き直し！やら、延々と待たされる！やら、横入り！やらで、
資金をキャピタル口座からセービング口座に移し、振り込み手続きを済ませる
だけで、とうとう２時間もかかってしまいました！

おかげで、テーブルの上の「どうぞご自由にお食べ下さい」ベトナムキャラメ
ルは全て包み紙だけに姿を変えてしまっていましたとさ。

（Mr.ホー）